2025/09/01

事業主貸はいくらまで可能?具体例と共に解説(後編)

個人事業主が事業用の資金をプライベートな支出に対して使用した場合、「事業主貸」という勘定項目を使います。事業の売上から生活費などを捻出する個人事業主にとってはなくてはならない勘定項目です。

前回は事業主貸の注意点などについてお伝えしました。後編である今回は、事業主貸の具体例と仕訳について解説いたします。是非参考にされてください。

事業主貸の具体例

どのような場合に事業主貸を使うのか、ご紹介していきます。

具体的には以下の項目となります。

・事業用の口座から生活費を引き出した場合

・保険料が事業用の口座から引き落とされた場合

・事業用のクレジットカードで、生活のための日用品を購入した場合

・事業の資金から自分の夕食代を払った場合

上記のような支出は全てプライベートな支出です。これらを経費として計上することはできませんので「事業主貸」を使用します。

ただ、個人事業主が自宅と事務所を兼用しているような場合、地代家賃や水道光熱費、通信費などは家事按分の対象となりますので注意しておきましょう。

家事按分とは、事業での費用とプライベートな費用とをきっちりと分けられない費用を一定の割合で事業分だけを算出する方法のことです。ただ、家事按分して経費とするには面積や時間など明確な根拠が必要となるため、分からない場合は税理士に相談することをおすすめします。

事業主貸の仕訳例について

続いて具体的な仕訳例について、代表的なものをお伝えしていきます。

事業用の口座から生活費を引き出した場合

事業用の口座から生活費を捻出する場合、必ず行う必要があります。この場合の仕訳は以下となります。

もし引き出した現金のうち、いくらかを事業用として使用する場合は以下となります。

(以下の例では5万円を事業用として使用)

  

・保険料が事業用の口座から引き落とされた場合

国民健康保険、国民年金、所得税、住民税などは個人の支払いとなるため経費とすることができません。そのため、もし事業用口座から引き落とされた場合などは事業主貸を使用して仕訳を行います。

また、もし口座からの引き落としではなく現金で支払いを行った場合は、貸方科目の部分が普通預金ではなく、「現金」となります。

仕訳に関するご相談はお任せください!

今回は「事業主貸」の仕訳について解説しました。慣れないうちはよく分からないと悩む場合も多いかもしれません。正しく記帳を行っていくためにもご不明点あればお気軽にご相談ください。