私たちが会社の経理業務のご支援を行う場合、最初に確認するのは、勘定科目の体糸です。
勘定科目に集計された取引を表示、区分されたものが決算書となります。つまり、会社の財政状態や経営成績を表示するための基礎となるものです。
勘定科目に、一定期間の取引の集計をするため、どのような取引を記録するのかを事前に決める必要があります。
このために、会計情報を利用する人によって勘定科の設定は異なります。また、取引の数が多いか少ないかによって、あるいは、特定の取引だけを集計するのか、又は、似たものも一緒にしてしまうかなどが判断基準としてあります。
例えば、ガソリン代の金額が多額になる事業の場合で、個別管理が必要な場合には、燃料費やガソリンといった科目を使用することが考えられます。しかし、ガソリンを営業活動で使用しているが、金額が多額にならない場合などでは、旅費交通費や車輌費として、他の取引と合算して処理することが考えられます。
あるいは、税務面で考えると、交際費や会議費の定義を明確にして税務上の対応をすることなどが挙げられます。
決算目的である財務会計に対して、経営管理に役立てるための管理会計では、より細やかな情報が必要となります。その場合には、決算目的で設定する勘定科目よりもより詳細な科目設定を行います。内部管理データのために、勘定科目を細分化した補助科目を設定してより細かな取引を記録するための設定をします。このように勘定科目は、事業活動に即した設定や利用目的に基づいて設定されなければなりません。ちなみに、SAPやLNに代表されるERP(統合基幹業務システム)の中では、現場での作業結果が会計データへ置き換えられるように設定がされており、最終的に会計側で現場での作業内容を内部的にチェックを行っています。
余談ですが、緻密な設定は、不整合が発生したら正しく運営をしないとエラーが発生をします。ERPをメンテナンスするためには、会計と業務の理解が必要になり専門的な職種となっています。
会計は、事業活動を数値で翻訳・伝達する作業です。高度な経営分析や意思決定を行う上では、会計データだけでは十分な情報は得られません。しかし、精緻な会計データでは管理コストがかかり、事業を圧迫する要因ともなり得ます。会計では表現できない要素を見るための眼鏡、下敷きとして役に立つ会計データの基礎となる科目設定を検討してみてください。Simple is Best。記帳代行にあたり、経営にあった勘定科目を設定のお手伝いもさせていただいております。