2025/05/03

勘定科目の雑費っていつ使ってもいいの?よく間違える消耗品費との違いや注意点について解説(後編)

前編では、勘定科目の「雑費」と「消耗品費」の違いや仕訳の仕方などについて解説しました。後編では、計上する際の上限金額や注意点について解説します。

雑費計上する際の上限金額は?

雑費を計上する際に明確な上限金額は税法上定められていません。ただし、雑費は「少額であり、他の勘定科目に分類できない支出」に使用するという性質があることから、一般的には経費全体の5~10%程度にしておくのがよいでしょう。高額な支出を雑費として処理すると、税務調査で経費の妥当性を指摘される可能性が高くなったり、事業状況の把握をする上で支出の内容が分かりにくくなります。

そのため、経費を分類する際には、他の適切な勘定科目がないかを検討し、雑費の使用を最小限にとどめることが重要です。

さらに、会社の規模や業種によっても「少額」の基準は異なる場合があります。会社の内規で雑費の範囲や上限金額を設定しておくことで、経費処理の透明性を高め、トラブルを防ぐことができます。税務リスクを回避するためにも、雑費の使用は慎重に行い、内容を明確に記録しておきましょう。

雑費を計上する際の注意点

雑費について計上する際の注意点には以下のようなものがあります。

1. 他の勘定科目と区別する

雑費は他の勘定科目に分類できない支出に使用します。消耗品費や接待交際費など、適切な勘定科目がある場合はそちらを優先しましょう。

2. 少額の支出に限定する

雑費は少額の支出を対象とする勘定科目です。高額な支出を雑費として計上すると、税務調査で指摘を受ける可能性があります。

3. 支出内容を明確に記録する

雑費の支出内容が不明瞭だと経費として認められない場合があります。領収書やメモを残し、用途を記録しておきましょう。

4. 計上割合が高すぎないようにする

雑費が経費全体の大部分を占めると、税務署に不正処理を疑われることがあります。適切な勘定科目への振り分けを心掛けましょう。

5. 会社内で基準を設定する

雑費として計上する条件や金額の上限を会社の内規で明確にすることで、経費処理の透明性を高めることができます。

雑費がどんなものでどういった方法で活用するのかしっかりと理解しましょう。

雑費は他の勘定科目に該当せず、少額の出費があった際に活用する勘定科目です。使い勝手が良さそうな勘定科目ですが、安易に活用することでのちのち、事業の経費状況を把握する際に困ったり、税務調査で指摘が入ってしまったりする可能性があります。正しい活用方法で適切な仕訳をしましょう。