

前編では、役員借入金が増えすぎることで起こるリスクについて解説しました。
では実際に、積み上がってしまった役員借入金はどう整理すれば良いのでしょうか。
「返済したいけど会社に現金がない」
「銀行から改善を求められている」
「相続対策として見直したい」
こうしたご相談は非常に多く、会社ごとに最適な方法は異なります。
今回は、中小企業で実際によく検討される代表的な改善策を3つご紹介します。
まず検討されるのが、役員報酬の調整です。
中小企業では、節税目的で役員報酬を高めに設定しているケースもあります。
しかし、利益に対して役員報酬が高すぎると、「会社のお金が足りず、結局社長個人が立て替える」という本末転倒な状態になりやすくなります。
その結果、役員借入金だけが増えていくのです。
役員報酬を適切な水準へ見直し、その分を会社に残すことで、財務改善につながるケースもあります。
ただし、役員報酬は原則として期首で決定する必要があり、途中変更には税務上の注意点があります。
役員借入金を整理する方法として、「社長が返済を放棄する」 という方法もあります。
これを「債務免除」といいます。
会社側から見ると借金が減るため、財務内容は改善されます。
一方で、債務免除を受けた会社には「債務免除益」が発生し、法人税の対象になる可能性があります。
ただし、赤字や繰越欠損金がある会社では、税負担を抑えながら実行できるケースもあります。
また、相続対策として、あえて役員借入金を減らしておくという考え方もあります。
最近では、DESという方法を活用するケースもあります。これは、役員借入金を“資本金”へ振り替える方法です。
簡単に言うと、「社長が会社へ貸していたお金を、出資に変更する」というイメージです。
これにより、
・負債が減る
・自己資本が増える
・銀行評価が改善しやすい
といったメリットがあります。
ただし、DESは専門的な手続きが必要で、株価算定や税務面にも注意が必要です。
知識不足のまま進めると、思わぬ課税リスクが生じることもあります。
役員借入金は、悪ではありません。
問題なのは、
・なぜ借りているのか
・いつ返すのか
・どこまで増えてよいのか
が曖昧なまま放置されることです。
中小企業では、社長個人が会社を支える場面も少なくありません。
だからこそ、“なんとなく増えていく状態”を防ぐ管理が重要になります。
当事務所では、
・役員借入金の適正水準の確認
・銀行対策を含めた財務改善
・相続も見据えた整理方法
まで含めてサポートしております。
「この金額は多いのか?」
「今後どう整理すべきか?」
少しでも不安がある方は、お気軽にご相談ください。会社の状況に合わせた最適な改善方法をご提案いたします。
