確定申告の時期が迫ってきました。平成29年度の申告期限及び納期限は平成30年3月15日になっています。申告書の提出が必要になるのは、次のような場合です。
給与所得の場合には、①年間収入が2000万円を超える人や②給与を1か所から受けていて全部が源泉徴収の対象となっており、その他の所得(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人や③住宅ローン控除を受ける場合などとなっています。
公的年金等に係る雑所得のみで所得控除を差し引いて残額がある場合には確定申告書が必要になります。ただし、源泉徴収の対象となる公的年金等の収入金額が400万円以下の場合で、それ他の所得金額が20万円以下であれば、所得税等の確定申告は必要ありません。ただし、社会保険料や生命保険料控除など控除が出来る場合や、「扶養親族等申告書」を提出していない場合には、税額が減少し確定申告をした方がよいと思われます。また、確定申告書をしない場合でも住民税の申告の要否は別ですので、別途市区町村に確認が必要となります。
退職所得がある場合には、退職金の支給時に源泉徴収が行われており通常は確定申告は不要です。ただし、源泉徴収がされていない外国企業からの退職金の受け取りなどの場合には、確定申告が必要となります。
事業所得のある場合には、確定申告が必要となります。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業からの所得です。不動産の貸付は、不動産所得であり、山林の譲渡は、山林所得として、事業所得から区別されています。
事業所得を計算するためには、事業に関わる総収入金額から必要経費を差し引いて所得計算を行います。1月1日(新規開業の場合には開業日)から12月31日までに確定した請求額(書)や支払った領収書は支払請求書の集計が必要となります。取引数によっては、事務負担が重くなり、外部への記帳代行を依頼したほうが効率的となる部分です。
個人事業主の場合には、配偶者などの家族への給与を専従者給与として控除特例が認められています。また、個人事業主ではなく、内職をしている場合には家内労働者等として所得計算の特例が適用される場合もあります。専従者給与は、青色申告として申告をする場合と、そうでない場合(白色申告)とでは、税務上のメリットの点から検討は必要です。
事前の届出「青色申告承認申請書」が必要となるものの青色申告のメリットとしては次のものがあります。
・繰越欠損金の繰越可(個人は3年、法人は9年)
・中小企業者少額減価償却資産の特例として30万円未満は費用処理可
・繰戻還付(今年赤字、前期納税の還付)が適用可
・専従者給与は、白色専従者給与が配偶者86万円、その他50万円の上限あるのに対して、青色専従者給与は給与の全額が費用として認めれています。
その結果、特別控除額が、青色申告では65万円(ただし、貸借対照表を作成しない場合には、10万円)が認められています。
弊社では、事業所得の計算に必要な収入と経費の記帳を事業主の代わりに行う記帳代行をおこなっております。また、各種の確定申告の作成代理も行っております。
事業活動という点からは、年に一度の確定申告を納税額計算だけのために行うのではなく、今後の活動について検討するための機会と捉えて利用されるお手伝いをさせていただきたいと考えております。