企業が競争力を強化・維持するために継続的に投資を行うことは必要だと考えます。設備投資は、本業の事業活動に対する投資であることから、計画的に進めるべきものです。税務上は、一定の設備投資や、技術力を強化するための研究開発に対して税務上の優遇措置を定めて投資及び研究開発活動を進めるように後押しをしています。代表的な、税制は以下の通りであり、積極的に活用したいものです。これの優遇措置は、政府の施策と関連するものであり、期限付きのものであり、毎年、注視しておく必要があります。
1.中小企業投資促進税制
中小企業者などが平成10年6月1日から平成31年(2019年)3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に新品の機械及び装置などを取得し又は製作して国内にある製造業、建設業などの指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却又は税額控除を認めるものです。
対象となる資産は、
(1) 機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの
(2) 事務処理の能率化、製品の品質管理の向上等に資する測定工具及び検査工具で、1台又は1基の取得価額、又は合計額が120万円以上のもの
(3) ソフトウェアで70万円以上のもの
などであり、基準取得価額の30%相当額の特別償却か、7%の税額控除できるものです。
2.中小企業技術基盤強化税制
中小企業者等がその事業年度において損金の額に算入する試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。法人税額の25%を上限として、増減試験研究費割合に納じて、12%から17%の税額控除ができるものです。
3.所得拡大促進税制
積極的な賃上げ、人材投資や生産性向上に取り組む企業を支援する制度です。
中小企業者等については、給与総額が前事業年度以上で、継続雇用者給与等支給額を前年度比1.5%以上増加させた場合に、増加額の15%分の税額控除が認められ、さらに前年度比2.5%以上増加させ、かつ人材投資や生産性向上への取り組みなど一定の要件を満たした場合には増加額の25%分の税額控除を受けることができます。2018年4月1日から2021年3月31日までに開始される各事業年度にて適用されます。
簡単に優遇された税制を活用できるように、工夫はされているものの、具体的な計算方法は簡単ではないため、具体的な適用や計算にあたっては、専門家の活用をお勧めいたします。