2020/01/07

この時期だから源泉徴収について

年末調整が終わりあるいはまさに計算中という会社(事業主 以下 経営者)様も多くいらっしゃるかと思います。源泉徴収についての最低限の理解は経営者として必要ですので改めて事務手続き整理したいと思います。

源泉徴収は、従業員の給料や役員又は専門家の報酬の支払い時に所得税額(源泉所得税)を天引きして、本人に代わり会社が税務署に納付をする一連の流れを言います。

給与以外、例えば事業所得などは年に一度、確定申告をして課税所得の計算をして、所得税を一括納付(中間納付を控除して)することになります。

これに対して源泉徴収を行うのは、年に一括払いは資金負担が重くなるため、支払いの都度、天引き納付することで資金負担を平準化するためです。これにより、徴収漏れなどを防ぐことができます。

以下は、この源泉徴収事務の一連の流れとなります。

  • 従業員の雇用時
    「給与支払事務所棟の開設・移転・廃止届出書」を所轄税務署に提出
  • 従業員の雇用後
    従業員への給与支払い時に、源泉所得税を計算徴収し、翌月10日までに納付
    ただし、支給人員数が10人未満の場合には、事前に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出、承認を受けるとことで、1月と7月に各6か月分をまとめて納付することができる。
  • 年末調整時
    年末調整は、従業員の1月から12月の計算期間の所得をもとに所得税を計算し、会社が変わりに納税(追徴または還付)し、併せて所得を国に報告する制度です。

支払いの都度に源泉、納付をしてきた所得税をもとに年税額の計算をし、調整をすることになります。
併せて、住民税の計算のために従業員の住む自治体へ給与支払い報告書を提出します。

上記の流れで、源泉所得税はあるべき税額に調整をされて従業員の所得税は正しく処理されます。

一方で、会社は従業員や専門家から所得税を徴収しなければならないという徴収義務を負っています。これを源泉徴収義務と言います。源泉徴収義務は、給与や報酬の支払い時に、計算された所得税額を徴収し納付する義務です。仮に、所得税を徴収し納付を正しく行なっていない場合には、徴収義務を履行しておらず、税務調査で指摘されれば、正しく徴収をして納付しなければなりません。当然、ペナルティを課されることもあります。

給与や報酬に係わる源泉徴収を後日行うことは、従業員や専門家とのトラブルや未回収の原因となり、好ましい結果にならないため、源泉徴収手続きは慎重に行う必要があります。

上記のような仕組みを理解して、自社内または外注により適切な運営を行ってください。

外注にあたっては、私共の経理代行サービスでご支援できますので、活用をご検討ください。