2021/03/03

在庫は悪ではない。

在庫に関連する決算上重要な業務として、現物を確認し、販売できる在庫であるかどうかを確認し、数量のカウントをして実地棚卸を実施して期間の損益を確定することです。

事業主は、商品を仕入あるいは材料を仕入、加工し付加価値をつけて、顧客へ販売をする営業循環のなかで、帳簿に入庫や払い出しを記録することは当然に行われなければならない業務です。この記録の結果、帳簿にどれだけの数量の商品あるは材料、製品があるかを把握できることになりますが、この、記録は必ずしも100%正しいとは言えず、記録内容を現実に修正するためにも、実地棚卸による帳簿数量の修正は必要です。また、帳簿の記録が正しくとも、現場では、予定していないことが起きて、例えば、万引きや窃盗により事業主が意図していないロスが発生した場合に、帳簿記録と現実の数量との差額を認識することで、事業主が想定しないことが起きていることを想起させ、対応をとるきっかけになります。

この在庫に対して、在庫回転率などの財務指標で、適正在庫水準をチェックし、在庫回転率が同業他社と比べて低い(回転率が悪い)場合には、在庫圧縮することが改善の方策としていの一番にリストされます。資金を使って購入した在庫が社内に滞留(在庫回転率が悪い)しているのであれば当然です。

在庫を圧縮したことで商品・製品が欠品をする場合には、売れたはずの売上が立たず(機会損失)、さらに悪いことには、購入できなかった顧客が、同業他社の商品を購入するキッカケになり、場合によっては、同業他社に奪われる事態もあり得る点です。欠品は、会社として是非とも避けなければならない状況です。

したがって、安定的に調達が出来るサプライチェーンが確立されており、調達までの時間が確実に読める場合を除いては一定のバッファーを持つことは、経営戦略上必要なことではないでしょうか。在庫は悪ではない理由です。

在庫を積み上げると資金が必要となり、在庫を削ると失注リスクが高まるため、これらの折り合いがつくレベルを算定し管理することが購買(ロジステックス)にとって非常に重要な理由です。長期、大量に安定供給をする注文よりも、現状は、多品種少量販売で、短期納期が条件面として多く、大量生産方式から柔軟に対応できる体制が構築できる会社の製品が高付加価値を生み出し、顧客の満足度を高めていると思います。

製造だけではなく、顧客や購入先などの外部関係で事業を見直すことが出来る人材の確保がますます必要とされているようです。

経理代行は直接にサプライチェーンに係るわけではありませんが、分析検討、進捗を測定するための情報を提供し、経営改善に影響するものです。記帳、経理代行についてご興味がありましたら、当社へお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。