2018/07/01

売上計上のルールが変更に

企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が公表され、収益の認識基準、すなわち、売上の金額とタイミングについてルールの見直しが行われました。

 

ルールの見直しの主要な点としては、会社を出荷した時に売上計上をする出荷基準、割賦での販売時では、割賦金の回収日により収益認識を行っていたものは、顧客に支配が移転した一時点で収益認識することになりました。また、販売促進のために付与するポイントの処理は、将来のポイントの交換に伴う費用を見積もり引当金計上から、収益の計上を将来に繰延をする方法に変更になっています。

さらに、リベート等の変動対価については、現在の日本基準では、一般的な定めがなく、支払の可能性が高い部分について、収益が認識されることになります。

 

また、製造業などでよく見られる材料を有償で取引先に支給をして、材料費込みで支給先から購入をすることが行われる有償支給は、支給品の買戻し義務の有無で処理方法を見直をされています。買戻し義務がある場合には、材料の支給元は、材料は実質的に、社外に(取引先に)払い出されていると認識しないため、その部分については、売上計上をしないことになります。

 

ただ、工事契約や受注ソフトウェアでは、工事進行基準をの適用としながら、工期が身近なものは、完成時に収益を認識できる、工事完成基準を適用できることになります。

 

 

上記の改正により、法人税法は、収益の計上基準について容認をし、同様な改正を行い収益認識に関する規定の整備が行われています。

 

ただし、消費税については、ために本日現在、「資産の譲渡等」等に法令改正が行われていない会計(=法人税)と売上計上のタイミングが異なる場合が出てくること可能性が出てきました。

会計が、期間経過に応じて収益を計上することを原則としていても、消費税は、一時点(当初契約時)に収益計上し消費税を課税する立場となっています。

したがって、消費税の申告上は異なる取扱いが必要になってきます。

 

なお、当会計基準は、2021年4月1日以後開始する事業年度から強制適用となります。法人税は、経過措置等により段階的に適用へと進めていくことになると思われます。

 

会計処理をする上で、決算期末に、適切な申告が出来るように日々の経理処理を意識しておくことが大切です。

 

我々は、経理代行を行っていく上で、会計基準や関係法令の変更がありましたら適時対応をいたします。是非ともご相談ください。