2019/05/06

決算と会計期間

会計期間は、個人事業主の場合には、1月1日から12月31日までと決まっていますが、法人の場合には、任意の期間とすることが出来ます。会計期間は、1年以内であればよく、12か月である必要もありません。会社法上は、1年を超えることが出来ないとされているため、会計期間の変更に当たって、1年以内となるよう手続きが必要です。

 

決算期(決算期間の最終月)を決めるにあたり考慮する点としては、以下を勘案して決められています。

 

1.自社の事業上の繁忙期を避ける

決算業務は、請求書を締めて取引先に送付する業務と、反対に、仕入れ先からの請求書を受領して会計帳簿に処理をする作業があります。取引量が多ければ、決算業務の業務負担も重くなります。そこで、自社の事業が比較的落ち着いている時期を決算期にしています。

流通業などは、2月や8月が閑散期なることから2月末・8月末を決算日とする企業が多く見られます。

 

2.3月決算は日本の行政期間に合わせる

事業に行政期間との取引があると、行政期間に合わせる方が、請求書の締めや売上検収のタイミングなど業務のし易さがあります。また、日本の教育が4月開始ということもあり事業運営上は、3月末を決算期とすることが多いです。また、以前はこれと相まって、株主総会を一定期間に集中させることで株主総会対策にも役に立っています。

 

3.資金繰りを考慮する

決算から2ヶ月後は法人税や消費税等の申告並びに納付期限となっています。申告額は一括納付が原則ですので資金繰りが厳しいときに重なると、企業も資金繰りが大変になってきます。資金繰り状況の確認をして、支出が重ならないように決算期を決定します。

 

4.会社の設立日に基準にして設定する

消費税の計算は、2期前の基準期間に課税、免税事業者の判定をすることから、2期前の期間がない新設法人は、設立後2期間は免税事業者になります(課税事業者選択届を提出していない又は資本金が1千万円未満の場合)。消費税の免税のメリットの観点から期間を最長にすることで免税額を最大の享受できるので、会社設立日を基準にして期間が長くなるように会計期間を設定することが望ましです。

 

なお、会計期間は、先の12か月以内であれば自由に変更をすることが出来ます。会社としての手続きは、定款の変更事由であるため株主総会での決議が必要になります。変更が決定したら、税務署に対しては異動変更届を提出すればよく、特別に煩雑な手続きとなるものではありません。

 

会計期間について、何かご質問がありましたらご遠慮なくお問い合わせください。

また、経理代行の一環としても対応しております。