2021/12/07

年末調整の流れについて解説

年末調整とは

従業員の給与から毎月天引きした所得税と本来払うべき所得税の金額を調整し確定させることです。

■年末調整の流れ

①従業員による各種申告書の提出(11月ごろ)

年末調整の対象となる従業員に必要な書類を配布し、必要事項を記載してもらい回収します。

必要書類は以下の通りです。  

●      給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 ※必須

●      保険料控除申告書および控除証明書類 ※該当者のみ

●      配偶者控除等申告書 ※該当者のみ

●      住宅借入金等特別控除申告書 ※該当者のみ

●      前職での源泉徴収票 ※該当者のみ  

回収が終了したら、申告内容に不備がないか他担当者と二重にしっかりとチェックしましょう。  

②年末調整の計算(12月ごろ)

各種申告書の回収が終了したら、源泉徴収簿をもとに、年末調整の計算を行います。まずは給与の総額を計算し、そのあと各種控除を適用して正しい源泉徴収税額を導き出します。計算する際、給与計算ソフトなどを利用することもおススメです。 それが終了すると、源泉徴収票を作成します。源泉徴収票は税務署への提出用、本人への交付用、市区町村へ提出する給与支払報告書で構成されています。このうち本人への交付用の源泉徴収票は12月の最終給与支給時に交付します。  

③源泉徴収税の納税および法定調書の作成と提出

計算が終了すれば源泉徴収税の納付および税務署や市区町村へ提出する法定調書の作成・提出を行います。源泉徴収税の納付期限は年末調整を行った翌年の1月10日となります。(ただし納期の特例事業者に関しては1月20日までとなります。) 年末調整に関する法定調書は支払調書法定調書合計表源泉徴収票給与支払い報告書の4種類です。    なお、法定調書は書面による提出が原則ですが、当該年の前々年に提出すべき書類が100枚以上ある場合、電子申請で提出することが義務化されています。支払調書の提出と年末調整の結果を反映した源泉徴収税の納付が完了すれば、年末調整は終了となります。

~まとめ~

年末調整がスムーズに実施できるかどうかは、従業員からいかに早めに各種申告書を回収できるかで決まります。年末調整に関する法改正などもしっかりと確認し、従業員への申告書の早めの配布、提出依頼を行い、余裕を持ったスケジュールで行っていきましょう。